若手後継者育成事業「公開講演会」(白石) 2025.06.20 小さな梅花藻(バイカモ)が持つ町おこしの力

白石女性会の村上会長から何度か、梅花藻という珍しい水生植物の花がお堀に咲くと見事なんです、と伺っていました。その梅花藻を実際に見ることもできるという素敵な講演会に、ワクワクしながら新幹線で猪股会長と丹野会員とともに白石に向かいました。
【講演会 ①】
テーマ「地域資源としての梅花藻の活用と保全」
講師: 白石まちづくり株式会社 代表取締役 / 白石商工会議所の専務理事 佐藤基之 氏
白石愛にあふれる佐藤氏から梅花藻は全国でも姿を消しつつある絶滅の危惧に瀕している植物であること、梅花藻を観光資源としてとして生かす試みを行っていて、白石を楽しむ「町あるき」のコースにも「水辺の妖精バイカモコース」があるということなどを伺いました。
「町おこしは、あるもの探し、あるものおこしなんですよ。」最後におっしゃった言葉が皆の心をつかみました。
【講演会 ②】
テーマ:「白石の梅花藻をまもれ!」
プレゼンター:白石高校 科学研究部生物班 チーム梅花藻の皆さん
後半は元気な男子高校生が、テンポよくスライドとともに梅花藻の保全活動に継続的に取り組まれている活動内容を紹介してくれました。彼らは、「全国高校生マイプロジェクトアワード」全国サミットに2023、2024と、2年連続で出場を果たしたぐらい、活動内容は充実し、プレゼン力も磨かれたものでした。
群生地を調べたり、生育環境の研究などを行っていたところ、3年前に、市が計画する川の洪水対策工事から梅花藻を守るために大奮闘することになります。
地元市民にすら認知度が低い梅花藻を皆に知ってもらおうと、SNSや新聞、テレビなどで広報活動をおこなったり、梅花藻をモチーフにしたキーホルダーなどの商品開発、イベントでのアピールなどを行い、市全体に梅花藻を守る機運を醸成したことで、心配された洪水対策工事は梅花藻に配慮しながら規模を縮小して行い、無事梅花藻を守ることができました。それどころか行政も梅花藻保全に協力し、小石を敷き詰めてむしろ梅花藻にとって良い環境になったと言うのですから、チーム梅花藻はピンチをチャンスに変えたといっても過言ではないでしょう。
その後は移植実験などに取り組みお堀の梅花藻を増やしたりと、彼らの梅花藻愛はとどまるところを知らないようです。
【現地視察】
バスで城下お堀の群生地に移動し、散策しながら花期が始まって可憐な花をつける梅花藻をこの目で見ることができました。思いのほか流れが早い川での中で、花を揺らしながら群生していました。同行してくれたチーム梅花藻の男子生徒さんや指導されている先生に質問したり、単会の枠を超えて、お話ししたり、写真を撮ったりと楽しい交流の時間となりました。
梅花藻が描かれたネックレス、梅花藻モチーフの涼やかな和菓子、白石を愛する大人たち、高校生たち、そして県内の女性会の面々…。たくさんの人やモノをつないでくれた小さな梅花藻、なんと大きな力を持っているのでしょう。白石にある素敵なものは、集った皆の心を温かくしてくれました。

参加 32名(うち仙台3名)
寄稿 ㈱本田土地建物 取締役 副会長 本田直子